アトピー知識を身に付ける
スキンケアの重要性とアトピー性皮膚炎
「皮膚のバリア機能」の低下が招くマイナス要素として、「アレルギー反応」の、それ程、強くない人でも、「痒み」が出てしまったり、「掻きこわし」の悪循環に陥ってしまう危険性を前項ではお話しました。しかし、「皮膚のバリア機能」の低下が招く不利益は、それだけではありません。
「環境アレルゲン」については以前にもお話しましたが、「ダニ」「ハウスダスト」「動物の毛」などが、これに当たります。「バリア機能」の低下した皮膚は、これら「環境アレルゲン」の体内への侵入を容易にし、「アレルギー反応」を日常的に起こさせる要因にもなるのです。
この「バリア機能」の低下から起きる「アレルギー反応」は、必ずしも、アレルギー反応を起こしやすい人が「起こす」ものを指していません。「アレルゲン」に、それ程、弱い体質でない人でも、度重なる「アレルゲン」の侵入、それが一定のレベルを超えた時に、まるで、ダムが決壊するようにアトピー性皮膚炎を発症してしまう事があるのです。
しかし、この話を持ち出したのは、決してアトピー性皮膚炎にいたるネガティブな過程だけを説明する為ではありません。
「バリア機能」の低下と、それは「必ずしも、アレルギー反応を起こしやすい人が起こす」ものではないとすれば、逆説的に「アレルギー反応を起こしやすい人」でも、「バリア機能」を低下させなければ、それは、そのまま、有効なアトピー性皮膚炎の予防に繋がるはずなのです。
これは、スキンケアの重要性を、自ずと、浮き彫りにする話ではないでしょうか。確かに、日々のスキンケアは苦労する面もありますし、症状のいい時などはサボりがちにもなってしまいます。ただ、アトピー性皮膚炎の改善に近道がないのだとしたら、こういった「スキンケア」などの小さな心がけが、実は最も大切な意味を持っている予防法なのかもしれません。
非アレルギー的側面からのアトピー緩和 >
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