アトピー治療の切っかけ作り
石鹸とアトピー性皮膚炎の微妙な関係
「汗」や「汚れ」が肌への刺激になって、アトピー性皮膚炎を引きおこす「非アレルギー的側面」の考察を前項ではしましたが、もちろん、私たちを取り囲む生活環境の中には、「非アレルギー的側面」から見た、「バリア機能」の低下した皮膚への「刺激」になり
得るものは、他にもたくさんあります。
普通に考えると、皮膚への刺激とは、あまり結びつきませんが、毎日、使用する「石鹸」なども、この「刺激するもの」に含まれるでしょう。イメージとしては、皮膚を清潔に保ち、アトピー性皮膚炎の予防には必需品と思われがちな「石鹸」にも皮膚に負担をかけるような要素が幾つかあります。
「石鹸」に含まれる成分が、皮膚を刺激し、炎症を引き起こす誘因になる事は、何となく想像しやすいと思います。「天然成分」を謳った商品は、こういった不安があるからこそ、需要があり、商品として成りたっている訳ですが、「石鹸」に含まれる成分そのものの刺激に加え、もうひとつ、踏み込んで考えなければならないのが、石鹸による「皮脂の落としすぎ」の問題です。
「石鹸」の使用で必要以上に「皮脂」を落としてしまうと、これを材料にして作られる「皮脂膜」が薄くなってしまうのです。以前にもお話したように、「皮膚のバリア機能」低下の一因は「皮脂膜」が薄くなって起こる事が考えられています。皮脂の取り過ぎは、直接、「バリア機能」の優劣に関わるのです。
アトピー性皮膚炎の予防に「肌を清潔な状態に保つ」事は、基本中の基本として広く浸透していて、もちろん、間違ってはいないのですが、その際の「石鹸」の使い方によっては、アトピーにとって、マイナスになる事もある、という事は知っておいて損はない知識だと思います。
リンスの洗い残しはアトピーには禁物 >
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