疑問の解決が治療の第一歩
IgG抗体のアトピー性皮膚炎への影響
「W型アレルギー反応」の「痒み」の主犯となるのは「ヘルパ―T1型細胞」から放出される「炎症物質」ですが、これとは別に「ヘルパ―T2型細胞」の働きがアトピー性皮膚炎の重症化に関わっている可能性もある事を前項の最後では触れました。
「ヘルパ―T2型細胞」は「インターロイキン(IL−4・IL−5など)」というサイトカインの1種を放出、B細胞に作用し、即時型の「T型アレルギー反応」引き起こします。同時に「好酸球」にも働きかけをし、アトピーの炎症部分を沈静化しづらくするような動きもする、とされています。
また、これらとは、まったく違うアトピーの発症要素として、血中の「免疫グロブリンG」比率が高い人はアトピーを発症しやすいという事です。
抗体のタイプは、「IgA」「IgD」「IgE」「IgG」「IgM」の5つで、この中でアレルギー反応に影響が大きいのは「T型アレルギー反応」に影響する「IgE抗体」である事実から、これまで、多くの研究がされてきましたが、「IgG抗体」もアトピー性皮膚炎への関与は否定できないようです。
もちろん、アトピー性皮膚炎の人の中には「IgE抗体」「IgG抗体」の比率が、決して高くない人もいます。つまり、当然ですが、原因をひとつに絞りづらいのが、アトピー性皮膚炎という病気といえます。
「IgE抗体」「IgG抗体」の比率が正常値であるにも関わらず、アトピーである人の場合、「皮膚の保護(バリア)機構」、「アトピー肌」「赤ちゃん肌」と言われる外的刺激への弱さから、アレルゲンの影響を受け、「炎症」「痒み」を起こす事も考えられています。
ダニの増殖する環境はアトピー性皮膚炎には厳禁 >
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